
我が家の兄弟はヤマハでピアノを習っているので、送り迎えで他の生徒さんたちや親御さんたちをお見かけします。
お隣の部屋でいつもレッスンをしている姉と弟のお母さんが先生に「弟の方はちゃんと練習するんですけど、お姉ちゃんはしないんですよ」と言っていました。お姉ちゃん、そばで聞いてるのになぁ、と部外者である私がちょっと胸を痛めていたら先生が、「あのねお母さん」と切り出しました。
「上の子って、開拓者なんですよ。誰もやったことがないことを、場合によっては、家族の誰もやったことがないことを、手探りでやっているんです。」
なんか、ジーンとして、涙が出てきました。自分も長女だし、長男の苦労の多かった子供時代(ってまだ子供だけど)も思い出されて。いい先生だなぁ(ぜんぜん知らない先生だけど)。
先生曰く「下の子は、上の子を見ているから、上達も早いです。下の子が、上の子を追い抜いちゃうことも、少なくないんですよ」。まぁ、そうだよね。オリンピック選手なんかを見ていても、そういう例は多い。うちの兄弟も、やる気のあるなしは置いといて、弟の上達は確かにスムーズだった。
弟とお母さんが帰った後、先生がお姉ちゃんにとても優しい言葉をかけていて、これまたジーン・・・・・・。ぜんぜん知らない先生と、ぜんぜん知らない親子のやりとりに、やけに心を動かされたひとときでした。私はただ、なーにも聞いていないような顔をして、座ってただけだけど。